2007年09月27日

<玉川>

 ♪ 玉川の水に晒せし 雪の肌 積もる口説のその中に
    とけし島田のもつれ髪 思い出さずに忘れずに
     また来る春を 待つぞえ



  [解説]
  嘉永[1847〜1854]の頃に出来たもの。
  玉川から引かれた水で産湯を使った事を誇る 江戸の女の恋を
  唄っているが、はかない境遇に身を置く哀しみと、秘めた恋を
  主題にしているので曲調はしめやかである。


  雪の肌 :雪のように白く美しい肌
  口説  :口喧嘩 特に親密な男女の喧嘩


  【おまけ】
  ♪思い出さずに・・・
    の所は二代目高尾太夫が伊達網宗に送った文の一部

  伊達綱宗は独眼流政宗の孫である。
  裕福だった伊達家の財力を削る為に幕閣が 土木工事を命じた事
  から 三浦屋の高尾太夫を見初めるが 振られ通しで ある日
  舟遊びの船中で高尾を吊るし責めに責めた挙句、切り殺してしまう。
  歌舞伎では
  『伽羅先代萩』(めいぼくせんだいはぎ) 
  『伊達競阿国戯場』(だてくらべおくにかぶき)
  などの題材になっている。
posted by 美きえ at 10:04| 東京 ????| Comment(5) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月10日

<有明>

 ♪ 有明の灯す油は菜種なり 蝶が焦がれて 逢いに来る
    もとをただせば深い仲 死ぬる覚悟で来たわいな
     * ハア 是非とも是非とも *

 ♪ 気安めか だます心か知らねども 今朝の別れにしみじみと
    辛抱せよとの一言が たより無き身の力草
     * くり返し *

 ♪ 今朝も羽織の綻びを 私(わし)に 縫えとは気が知れぬ
    嫌な私に縫わすより 好いたあの娘(こ)に 頼まんせ
     * くり返し *

 ♪ 言うならば 言わしておきなよ 何とでも 
    戸は立てられぬが 他人の口 浮名怖さに 切れるよな 
     そんなまた容易い(たやすい)仲じゃないじゃないかね



   [解説]
  菜の花が種となり油に変わっていっても 蝶は恋人のように 
  美しい花の 昔を懐かしがって 香りを慕ってくるという内容が 
  しっとりと唄われている。
  大正の初めに一時衰えていた流行が復活し 囃子言葉
  ♪ハア 是非とも是非とも が付き 多くの替唄が出来た。

  ”有明”というのは 古語に言う夜明けまで付けておく行燈
  ”有明行燈”のことを言っている。
posted by 美きえ at 09:03| 東京 ??| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする