2010年02月15日

綱は上意・・・

 ♪ 入にける 綱は上意を蒙りて 羅生門にぞ着きにけり
     折りしも雨風激しき後ろより 兜のしころを引っ掴み
    引き戻さんと エイ と引く 綱も聞こえしつわものにて
      彼の曲者に諸手をかけ

   よしゃれ 放しゃれ しころが切れる しころ切れるは
     いといはせぬが たった今結うた鬢の毛が
    損じるは もつれるは七つ過ぎには行かねばならぬ 
      そこへ行かんすりゃ コチャ 気にかかる 
    誰じゃ 鬼じゃないもの私(わし)じゃもの
     兜もしころも らっちもいらねえ 
      サーサ 持ってけ しょってけ




  [解説]
  地歌のおどけ物に、”綱”という物があり端唄風に作り直した。
  源 頼光の四天王の1人に”渡辺の綱”という人がいて 
  京の東寺の羅生門で鬼神の片腕を斬り取った事で天下に
  名を知らしめた話。
  初めは、物々しい義太夫調で 途中からガラリと三下りに
  転調してから 軽妙さを見せる趣向になっている。

  蒙る   :受ける
  しころ  :兜の後ろに垂れ手首を覆うもの
  つわもの :兵士・勇士
  七つ   :午後4時過ぎ
  らちもない:だらしない

posted by 美きえ at 13:49| 東京 ☀| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
なにごとだぁ〜って感じの始まりに驚きました(^^♪
一般の端唄にはない語り物の口調ですから難しい曲なんでしょう?
Posted by 迷也 at 2010年02月21日 17:38
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