2008年01月11日

<書き送る>

 ♪ 書き送る 文もしどなき仮名書きの 抱いて寝よとの沖越えて
    岩にせかれて散る浪の 雪か霙か 霙か雪か とけて浪路の
     二つ文字 妻を恋しと慕うて暮らすえ

  [解説]
  東海道五十三次の神奈川台の茶屋で働く女性が江戸に残した
  夫を慕う心を唄っている。
  歌舞伎の「髪結新三」、永代橋の場で忠七が身を投げる時に
  流れるのが有名。

  しどなき:だらしない



 

 ♪ 書き送る 吾が手ながらも羨まし
     恋しき人の見ると思えば恥ずかしき
    嘘も誠も命毛に 契いしことの判じもの
      待つも幾夜の後朝に 人目の関と明烏
  
  [解説]
  こちらは 廓の女が絶えて久しく逢わぬ男のもとに、思いの丈を
  述べた文を書き送る所を唄ったもの。

  羨まし :思うように書けないで不満であるという意。
  命毛  :筆
  後朝(きぬぎぬ):「衣衣」で男女が相会った翌朝、それぞれの
            衣服を着て別れること。
  人目の関:他人の見る目が妨げとなって、思うようにならない
       事を関所に例えている。

posted by 美きえ at 10:13| 東京 ☀| Comment(4) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
しっとりしていて、そして艶っぽい感じの唄ですね〜。。
歌詞も端唄らしく、趣のある言葉遣い。。。
ある場所で?解説を見つけて読んでいました(^^!
Posted by 迷也 at 2008年01月13日 10:49
『書き送る』と『薄墨』という曲は 良く似た曲で ウッカリすると あっちこっち行ってしまいそうです。
でも どちらも しっとりとした はかない女性を描いています。。
解説は 私も色々なところで調べて書いていますので 同じところのをご覧になっていたのかもですね・・(^^;
Posted by 美きえ at 2008年01月13日 12:21
『書き送る』と『薄墨』…
確かに似ていますね!
こんな替歌もあるみたいです↓

疑るは、恋のならいと言いながら
早や明近き後朝は、涙に湿る袖の露
嘘か誠か手管の実か、割って見せたいこの思い
勤めする身は儚いものじゃえ
Posted by みんみん at 2008年01月29日 19:03
みんみんさま♪
コメントありがとうございます。
この歌詞は 初めて拝見しました。
これもまた 何とも儚い感じがしますね!!( ┰_┰) シクシク
Posted by 美きえ at 2008年01月30日 12:13
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック